河出書房から発売された須賀敦子全集。
文庫なので持ち歩けるのが嬉しくて移動の際に少しずつ読んでいます。
全8巻なので楽しみがしばらくは続きそう。
須賀さんの美しく静謐な文章やヴィスコンティの映画に触発されて
ヴェネツィアは2度訪れたことがあります。
2度目はオットと一緒でしたが
前回同様、見事に迷子になりました。
嬉々として同じ様なちまちました通りや小さな橋を何度も渡りながら
ぐるぐるまわっているあいだにじっくりと日が暮れていき
道を聞こうにもサン・マルコ広場にはあんなにいた観光客はどこにも見えず、
英語で質問してもイタリア語で教えられるのでますますわからなくなり
もう二度とこの小さな島から出られないかも知れない
でもそれもいいなぁ、などと本気で思っていました。
実際のイタリアの印象は須賀さんの文章ほど
深く美しくは響いてこなかったのですが
それでも大好きな人の足跡をそっと辿るような嬉しさがありました。
訪れてとても良かったのはサンジャミアーノ(塔の街)です。
次はいつ行けるのかしら・・・。