桜に未練を残すなといわんばかりの強風。
ほぼ1年ぶりですが、何事もなかったかのようにしれっと更新。
しばらく前に東京の友人から送られてきたメールのタイトルは
「森山未來、恐るべし。」
舞台、カフカの『変身』を観た時の感想。
文字が踊ってるような興奮が伝わってきました。
で、触発されて昨日私も観に行って参りました。
いやはや、
とっても良かったです。
森山未來の演じるグレゴール。
不穏で気持ち悪くて美しくて哀しい。
ワイシャツ姿のまま、素晴らしい身体能力とセンスで虫になりきるその姿。
自在に床を這い、天井にぶら下がり、壁を伝い、垂直に落ちる。
不思議な姿勢で静止できる筋力と踊るように繊細な指先。
どの動きにも目が離せず、その存在感にめまいがしました。
役者さんというより職人ですね。
シンプルで奇妙な演出もすごく好み。
巧みな陰影のなかでのマイムはみなさんゼンマイ仕掛けのお人形のよう。
2月に歌舞伎を見た時とはまた違う非日常へ逃避できました。
カーテンコールは3回。
パーカッションとキーボードのおふたりにも拍手できてうれしかった。
音ですごく役者さん達が守られてる感じがしたので。
以前、飲んでいて一緒になった某劇団に所属している方が
カーテンコールの瞬間を味わうと、役者はもうやめられない。と言ってたけれど
心から拍手するってことも、かなり幸福ですよ。
ありがとう。